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吉野杉の魅力を探る②:割り箸を使うことがSDGs

100年かけて山を育てる

吉野杉の特徴は密植多間伐です。「まっすぐ。目が混んでいる。節がない。色つやがいい」そんな木材をつくるための先人の工夫です。まず、1ヘクタールあたりに1万本を植える。これは他の地域の3~4倍のボリュームだそうです。これを100年かけて育てていく。最初1万本だったものを、途中に間伐をすることで100年後に300~500本にするそうです。良材だけを残して100年かけて育て上げるわけです。

100年後に残るのは超が付くほどの良質な材ですが、その過程で間伐された木材にも適した利用用途があるそうです。苗木から細い木に育って、さらに時間が経って大きな木になっていきますが、それぞれの直径にあわせて、家の柱や家具、木桶の材など適切な用途があるといいます。

切った木材が売れるから、間伐ができる

間伐のタイミング毎に木材が売れる。だから、100年を通して山を育てることができるのです。逆に、間伐した木材が売れなければ木を切ることができないわけで、木材需要の減少が、山を育てるために大きなリスクになっているそうです。

その視点でいうと、割り箸もその大切な活用用途の一つ。でも、近年のSDGsの流れの中で割り箸からプラスチックの箸に、という流れもあるように感じます。ただ、吉野を見学して思うのは、「割り箸を使うこと」が、吉野の山づくりに貢献することになるということ。特に吉野の割り箸は触り心地も香りも一味ちがう気がするので、声高らかに割り箸を使おう!と言いたい気持ちでいっぱいです。