醤油の知識
原料処理
大豆を蒸して、小麦を炒る
醤油の主原料は大豆、小麦、食塩です。そのうち大豆と小麦には熱を加える処理を行うのですが、その目的の一つは殺菌です。次の工程で麹菌を繁殖させるので他の雑菌を殺菌します。
もう一つの目的は、生の硬い状態の大豆と小麦に熱を加えて、分解されやすい状態にします。大豆は蒸すことで変性させる、小麦は炒ることでα化させると表現されます。
昔は煮る → 今は蒸す。
昔ながらの方法は大きな釜で煮る作業です。和歌山県の堀川屋野村さんや石川県の鳥居醤油さんでは今でも薪で五右衛門風呂のような大きな釜に火をかけています。
一方、現在の主流になっているのは大きな圧力釜で蒸す方式です。高温高圧の短時間で蒸煮し、その後に冷却することで大豆のたんぱく質の溶解率が向上することが分かってきたからです。中小のメーカーでは密閉式のNK缶とよばれる蒸し器を、大手メーカーは連続して処理ができる連続蒸煮缶が使われています。
小麦は炒って割砕します
直火にかけて炒る方法もありますが、中小メーカーで一般的なのは砂と一緒に混ぜながら熱を加える方法です。天津甘栗を熱する時の原理に似ていて、砂を加熱媒体として加熱処理し、その後に砂を振るい分けます。また、熱風で熱を加える方法を採用するメーカーも増えてきています。
炒られた小麦は細かく割砕されます。小麦粉のように粉にするというよりは細かく砕くイメージです。蒸された大豆と混ぜることで大豆の表面に砕いた小麦がついて覆います。比較的大粒の割砕小麦は大豆と大豆の間に入って製麹時の通気性を確保してくれます。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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