醤油の知識

025|小麦炒り

仕込み作業の最初は、小麦煎り。

前回、書きましたが仕込み前にバタバタして小麦を炒るのもギリギリ、製麹をスタートする前夜に行ないました。

小麦を炒っているのは、職人醤油にも参加されている岡本醤油のご主人、岡本義弘さん。
岡本醤油さんは僕が大学を出て、1年間お世話になったお醤油屋さんです。

今回、僕が醤油の仕込みを始めるということを大変喜んでくださり、醤油の仕込みでお忙しい時期にもかかわらず、福岡まで駆けつけて下さいました。



150kgの小麦を炒るのに、22時から始めて終わったのは朝方5時すぎでした。(これは他のやり方を考える必要ありです。)

一人でやるつもりだったのですが、岡本さんは「僕は仕込みをやる為に来たんだから」と、最後まで一緒にやって下さいました。 本当に優しい方です。

<生小麦> 今年使用する小麦はすべて、地元糸島産の小麦(チクゴイズミ)です。


<炒った小麦> 加熱することでデンプンをα化し、酵素の作用を受けやすくします。

製麹前に砕いて、蒸した大豆と混合します。

小麦炒り、終了。

岡本のご主人、とてもタフです。
朝方まで本当にありがとうございました。


大豆は22時に洗って、水に浸漬しました。

明日は大豆を蒸して盛り込み!

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元