醤油の知識
醤油と聞いて思い当たる地域といえば
全ての地域に醤油蔵はあったはず
醤油と無縁の地域はないと思います。車がない時代に液体を運搬することはとても大変なので、それぞれの地域に醤油屋や酒屋があったはずです。ただ、より醤油の生産が盛んだったり、特徴のある地域はあると思いますのでいくつかを挙げたいと思います。
生産量トップは千葉県
醤油の産地として真っ先に思い浮かぶのが千葉県。国内醤油出荷量の35%を占める国内最大の醤油産地です。野田にキッコーマン、銚子にヤマサ醤油とヒゲタ醤油と、大手5社のうち3社が千葉にあります。千葉県で醤油の醸造が盛んになったのは大消費地である「江戸」が近くにあったことと、川をつかって運搬ができたことがあげられます。
兵庫県のうすくち醤油
淡口醤油を手掛ける最大手「ヒガシマル醤油」がある兵庫県たつの市は淡口醤油の発祥の地としても有名です。醤油づくりにも大きくかかわっている揖保川が流れていて、素麺「揖保の糸」でご存知の方も多いはず。素麺の産地でもあります。また、龍野城の城下町としても景観も残されていて、末廣醤油の周辺は石畳歩いていても楽しいです。
香川県の小豆島
木桶仕込みの醤油で有名なのが小豆島。20ほどの蔵元が密集しています。元々、船の中継地点として栄えた小豆島には九州の方から大豆や小麦の原材料を運んできて、大消費地の大阪に販売するには適した土地でした。そのため今でも醤油メーカー同士が仲良しで、競い合う関係ではなく協力しあってきた歴史があるようです。
愛知県は発酵が盛んな地域
醤油の生産量で全国3位である愛知県。準大手といわれるメーカーがたくさんある地域です。そして、もう一つ、地元で使われている醤油も面白い特徴があります。溜醤油」と白醤油。日本で一番黒い醤油と白い醤油が一定地域にある稀な地域です。また、日本酒、八丁味噌、味醂・お酢なども生産が盛んで醸造文化の土地でもあります。
醤油メーカーの数No,1は福岡県
九州の醤油は甘いといわれています。甘味料の種類やブレンド方法などにより、それぞれの醤油メーカー独自の味があり、「おばあちゃんの時代からここの醤油を愛用している」というように家庭の味と地元の醤油メーカーとの結びつきが強いのです。
醤油メーカーが最も多くあるのが福岡県です。それを支えるのが98社の醤油メーカーで構成される福岡県醤油醸造協同組合。組合では国内最大の規模で、福岡の醤油の品質をより向上すべく研究開発にも積極的で、塩分ゼロの醤油を手掛けるなど全国からの評価も高いです。
一番甘い醤油といえば鹿児島県
甘い醤油で有名な九州の中でも鹿児島は一番甘いといえると思います。それぞれの醤油メーカーが配達をしている割合も高く、地元に結びつく醤油づくりをされています。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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