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海外の展示会のブースの特徴

WFFS 2024のブースのまとめ

ラスベガスで開催された食品の展示会「Winter Fancy Food Show 2024」。私個人としては初めての海外展示会参加。感じたのは、海外ブースの展示の仕方が日本とは明らかに異なることでした。日本の展示会で当たり前に感じていたブースのつくり方、実はちょっと独特だったという気づきでした。

日本は情報をぎゅっとつめ込む傾向にあると思います。具体的には、1社あたりのスペースが狭くて、そのスペースに出来る限り多くの情報を詰めようとする。階段状の什器を用意して、たくさんの商品を並べて、その説明のためのPOPの数も増えていく。そこに試食も加わると、商品があって、POPがあって、試食もある。この密度がとてつもない、という印象です。

でもそれって、限られたスペースにできるだけ多くの人が参加できるようにしているわけだし、安くない出展費用を払ってので、スペースがあると埋めたくなっちゃうよね、って気持ちもすごく分かるわけです。

一方、海外ブースを見て感じるのはPOPがとても少ないこと。そして、商品を並べるのか、試食をさせたいのか、ブースが発するメッセージが分かりやすい。商品だけがどーんと並んでいて、説明書きを置かなくて大丈夫?!と心配になってしまうけど、その分、商品に自然と目線がいくし、商品に語らせているような印象。

さらにもう少し考えてみると、それぞれのベースに、コミュニケーションというか、商談の仕方の違いがあるようにも感じました。日本の場合は、展示会を「きっかけづくり」としてとらえているというか、自社商品に興味を持ってくれたら名刺交換をして、後日、フォローをする形でコミュニケーションをはかっていく。

一方、海外ではその場で出来る限りに商談を進めようとする印象で、なんなら、その場で発注をもらうくらいのスタンス。そのことを現地の人に伝えると、「だって、時間が経ったら忘れちゃうでしょ!」とさらりと言われました。

その場で深いコミュニケーションをすることが前提だから、ブースの作り方もシンプルにできるようにも感じました。和食は引き算の美学などと表現されますが、日本流のブースづくりは足し算になりがちだなぁ、とも実感をし、引き算の考え方を意識することが特に海外では効果的なのだと、そんなことを考えていました。