醤油の知識
圧搾後の醤油の油を有効利用する井上本店
大豆に含まれている油
「丸大豆醤油」には油がつきものです。醤油を圧搾すると大豆に含まれる油がでてきます。写真は奈良県の井上本店の圧搾場の様子で、分離させた油の層をすくったので、油量が多いですが上半分に浮いているのが大豆油です。このように醤油と油とに分離させて、油だけを取り除きます。
この油は、長い熟成期間を経て酸化しているし、塩分も含んでいるので多くの場合は活用されずに廃棄されています。廃棄するにもお金がかかるので、少々やっかいな存在です。
油も粕も廃棄がゼロに
ところが、井上本店では燃料に使用しています。油から塩分を取り除く処理をして、小麦を炒る機械の燃料として活用しています。「不思議なもので、前年にとれた油の量が、次年度の仕込みに使う小麦を炒る燃料量と同じなんですよね」と井上本店の吉川さん。
ただ、油から塩分を取り除くといっても、油と水を混ぜて加熱しながら塩分を水に溶かす。その水を捨てて、また水を足して…を、何度も繰り返すそうです。その手間の方がよっぽど大変と思ってしまうのですが、醤油の搾り粕も有機農家に全量運ばれるそうで廃棄物がゼロだという井上本店。それも含めて、自然とそうなっているのが井上本店の魅力のような気がしています。
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醤油の種類
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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