醤油の知識
097|2016年の仕込み
年が明けて2017年になりましたが、
2016年の仕込みも11月から始まりました。
今年は、濃口、うすくち、再仕込み、無施肥・無農薬(濃口)、を仕込みます。もう7年目となりましたが、今年は濃口を例年の半分量しか仕込みません。
というのも、2010に始まり2013まで(4年度)商品になりましたが、販路の無い状態からスタートして毎年、年度地が違いの新商品が発売されるので、恥ずかしながら販路の開拓が追い付かず、在庫過多の状態がずっと続いていました。
3年前から仕込量を減らそうか悩んでましたが、なんとなく減らすのが嫌で見栄を張って同じ量でやってましたが、もう限界だなと感じてきて…(笑)今年は濃口半分です。なんとも情けない話ですが、この悔しさを忘れずに前進していきます。
さて、2016仕込みですが、前回の記事に書いたように去年行った大豆カットは今年はしません。原料も種麹も変わりません。
今回、変えたのが麹室に入るのに、専用のスリッパを履きかえて入るようになりました。以前は通常の作業で履いてる長靴でそのままでしたが…。
正直、盛り込みや出麹の動線を考えるとより人が必要だったり時間がかかるのですが、ずっと気になっていて、ようやく変える事が出来て気持ちがスッキリしました。
まぁ、単純に衛生的ですよね。
醤油の麹を製麹する時は、床がかなり結露します。
その事や洗浄のしやすさを考慮して、うちの麹室は勾配がついていて3か所排水の穴があります。(普段はゴム栓で止めている) ただ、左官さんの技術的なミスと思いますが、勾配に逆らって部分的に高かったり低かったりで、ゴム栓を取ればすぐ綺麗に排出されるという訳でもなく…。
結局、ゴムの水切りワイパーで床の水分をかき集めて、入口を開け外に出すという面倒な作業でした。(出麹までに2~3回) また、今年から入口は靴の履き換え場所になったので、そこにその水を出すという事も出来なくなりました。
そんな事で、今年から床に新聞紙を敷きつめる事にしました。これが思った以上に大活躍。 手入れ毎に交換しないといけないので、結局以前より面倒なのですが(笑) 綺麗に吸い取ってくれます。
また、麹箱の性質上どうしても少し小麦の粉が床に落ちていました。それも新聞紙を敷く事によって床に落ちるのが防げます。 地味な改善で手間はかかりますが、気持ちよく作業できるので効果大です。 今年も無事に仕込みを終えれるよう、頑張ります!
1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。
ミツル醤油醸造元
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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