醤油の知識
071|圧搾の準備
年が明けて、いよいよ初年度(2010秋~2011春)に仕込んだ諸味を搾る時期が近づいてきました。 今後の工程は、圧搾→火入れ→瓶詰 という流れです。
まずは、2月上旬に行う圧搾(搾り)作業のための準備。下の写真に写っているのが、搾りに使う槽(ふね)です。 これは本来、日本酒の小仕込み用に使われる物で、量的にはちょうどいいのですが、圧力を手動でかけるタイプなので、諸味の粘性の高い醤油には向かず、かなり歩留まり(醤油がとれる量)が悪いと思います。
しかし、高性能な圧搾機を使うほど量を仕込んでいるわけでなく、そんなスペースやお金もないので、この圧搾機を選びました。構造は至ってシンプルで、諸味を入れた袋をこの槽の中に積み重ねて行き、布から出てくる醤油が外側にある呑口から垂れてくるという仕組みです。
呑口の下に醤油が垂れる半切りをおくので、角材を置いてその上に槽を置きました。
半切りを置くとこんな感じ。
呑口の部分の改造や、圧搾作業に使う諸々の道具の用意やシュミレーションなど、まだまだ準備不足です。 パッケージや価格などもまだ決定しておらず、毎度のことながらほんと直前までバタバタしそうです…。
1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。
ミツル醤油醸造元
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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