醤油の知識
古典の日文化基金賞で木桶職人復活プロジェクトが受賞
第3回「古典の日文化基金賞」授賞式
11月1日が「古典の日」に制定されたことを記念し、古典文化の研究・普及・啓発活動に貢献した個人、法人、団体を顕彰する「古典の日文化基金賞」が創設され、第3回の授賞式が2023年9月3日に開催されました。その中で「木桶職人復活プロジェクト」が美術・生活部門で受賞しました。
https://hellokcb.or.jp/kotennohi/kensho/
木桶職人復活プロジェクト
2012年、ヤマロク醤油の五代目 山本康夫の呼びかけからスタートしたプロジェクトで、木桶に関わる食品メーカーや流通業者、大工や料理人などが集まり、毎年一月に小豆島で新桶づくりをしています。技術を広く共有し、各メンバーが全国規模で横に連携することで、木桶仕込みの商品と木桶職人を増やしていくことを目指しています。
夜は祝勝会。自信をもって前に進もう!
プロジェクトのメンバーが北は福島、南は鹿児島から30人ほどが授賞式に参加しました。そして、夜は当然のように祝勝会。醤油屋メンバーが一言づつ話をしたのですが、「自分たちの取り組みは間違っていなかった。だから、自信をもって前に進もう」という声が印象的でした。
今でこそ注目をされている木桶ですが、数十年前には「時代遅れ」なものの象徴であったと思います。当時の多くのメーカーが目指していたのは、最新の製造設備を導入して、質のよい醤油を多くつくること。つまり、生産効率を上げること。その流れの中で、木桶はどんどん姿を消してきました。
この取り組みがスタートした10年程前から、少しづつ共感するメンバーが増えてきています。授賞式に30人が集まるというのが象徴しているように、同業者がよい雰囲気で横に連携をしています。さらに勢いをつけて、木桶が世界に広がっていくといいなと感じています。
「木桶職人復活プロジェクト」が古典の日文化基金賞を受賞しました。京都での授賞式に30名ほどが集まり、厳粛な授賞式と、にぎやかなお祝い会。相変わらずの、やったる(樽)でー!オッケ(桶)ー!な盛り上がりです。#木桶 pic.twitter.com/TB1n6QIYsu
— 高橋万太郎 (@mantaro_t) September 4, 2023
本日、私も参加させていただいております「木桶職人復活プロジェクト」が古典の日文化基金賞を受賞し、その授賞式に出席いたしました。
— やまね酒造 若林福成【生物研究家】 (@yamaneshuzo) September 3, 2023
彬子女王殿下(古典の日文化基金賞顕彰委員会名誉総裁)もご出席され、本当に素晴らしい場に私も居させていただき木桶メンバーの皆様には、心より感謝です。… pic.twitter.com/eRkAfnGrnu
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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