醤油の知識
CRAFT SAKE WEEK「にほんもの学校」醤油編
体験型イベント「にほんもの学校」
六本木ヒルズアリーナで開催されている「CRAFT SAKE WEEK」。その中で参加者体験型イベントの「にほんもの学校」があり、醤油がテーマの日に登壇させていただきました。なにかしらの専門家と料理人がペアになって試食ありのセミナーを行うスタイルで、他にはお茶や味噌がテーマだったりしていました。
酒井商会の酒井英彰さんと登壇
今回、ご一緒させていただいたのは和食割烹の人気店、酒井商会の酒井英彰さん。MCはJ-WAVEでナビゲーターもされている浦浜アリサさんです。
イベントの中身はというと、まず、醤油の味比べをしていただきました。白醤油、淡口醤油、濃口醤油、再仕込醤油、溜醤油の5種類の醤油を味比べしていただき、第一印象で美味しいと感じたものに〇、苦手だなと感じたものに×をつけもらいました。以下がその結果です。
再仕込醤油が人気で、淡口醤油が不人気という結果に
そのまま醤油をなめた印象としては、再仕込醤油が人気。一方で、淡口醤油が不人気という結果になりました。
濃厚な醤油である再仕込醤油、原材料の比率や製法が濃口醤油に近いことから、違和感なくうま味の強さを感じることができます。それが人気の要因かもしれません。一方で、そのままなめると塩味を感じやすい淡口醤油、それが不人気につながったのだと思います。
続いては、酒井さんの炊き込みご飯
酒井さんが5種類の醤油をつくってくれた炊き込みご飯のおにぎりを試食してもらいました。具材は筍と南関揚げ。しっかりと出汁を感じることができる上品な仕上がりです。イベント会場での出店準備があるなか、早朝から仕込んでくれたそうです。その結果が以下です。
炊き込みご飯だと淡口醤油と溜醤油が人気の結果に
醤油をそのままなめた時とは逆の結果に。淡口醤油を使った炊き込みご飯と、溜醤油を使った炊き込みご飯が人気になりました。
そのままなめると塩味を感じる淡口醤油ですが、出汁と筍を引き立てる役回りをしてくれて、全体の調和をとってくれます。そして、「濃い醤油の方が焦げやすかったです」という酒井さんの解説にあるように、香ばしいお焦げの感じを味わえたのが溜醤油の炊き込みご飯だったなという印象でした。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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