醤油の知識
070|年内の仕込み、無事に終わりました
2012年度の仕込み、とりあえず年内の分は終了しました。
塩を変えたり、小麦の炒り方を変えたり変化がありましたが、
他にもまだ変わったところがあります。
まず、箱への盛り方。
去年まで「盛り込み」 ~ 「一番手入れ」までは写真のように、山状に堆積していました。 これは、温度を保ちやすくして麹菌増殖の立ち上がりをよくするためなのですが、いつも 増殖が速すぎて、それに伴って温度も上がりすぎる傾向にありました。 なので、今年は最初から全体に広げた平らな形状にする事に。 狙い通り、温度の上昇がゆるやかで以後の経過も良好でした。
また、去年までは、僕が箱へ盛って、その箱を蒲池さんが積んでいく。 という、2段階の流れでしたが、今年は盛り方が平らになって作業が簡単になった事もあり、 二人で盛りをして各自積んでいくようにした結果、作業時間はほぼ半分となりました!
そして、もう一つ。
去年まで、4回の製麹で桶一本分。としていましたが、 今年からちょっと欲張って4.5回分 仕込みました。 4回分仕込んだ2本の桶に、一回分の麹を半分に分配して仕込みました。
その結果、けっこう上の方まで諸味が入ってます。 夏場の発酵期には、ギリギリのとこまで浮き上がってくるか、こぼれるか…。 どうなるか、ハラハラしてます…。 年明けは、初年度の醤油を使った再仕込み醤油。 無農薬原料の濃口醤油を仕込む予定です。 再仕込み醤油、初めての挑戦なので、今から楽しみです!!
1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。
ミツル醤油醸造元
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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