醤油の知識
九州のたまり醤油とさしみ醤油
地域によって定義のことなる「さしみ醤油」と「たまり醤油」
「さしみ醤油がほしい」という質問に対する答えが難しいと感じています。白身におすすめしたい醤油と赤身におすすめしたい醤油が異なるということもありますが、地域や蔵元によって、「さしみ醤油」の味わいがまったく違うのも実際のところです。
JASの規格などで明確な定義がないため、それぞれの蔵元でさしみにおすすめしたい醤油が「さしみ醤油」とされています。そのため、濃口醤油の濃厚タイプをそうよんでいたり、再仕込醤油をそうしていたり。カツオ出汁などをくわえた「だし醤油」をさしみ醤油としていたりもします。
地域による違いも顕著
また、九州地方で多いのですが、甘みが強くて、とろみを付けたタイプを「さしみ醤油」という傾向があるようにも感じています。ご家庭に3本の醤油があって、甘いタイプの濃口醤油と淡口醤油、それに甘さのより強いさしみ醤油といった具合です。
馬刺しにあう醤油として、このような甘い「さしみ醤油」が挙げられますが、同時に「たまり醤油」とよぶ方もいらっしゃるので、一言に「さしみ醤油」「たまり醤油」といっても、様々な醤油が存在することになります。
職人醤油での溜(たまり)醤油は
職人醤油では原材料の大豆の比率が高く熟成期間の長いものを溜醤油としています。そのため、九州で馬刺しなどを食べた、あのたまり醤油を想像されると、全くことなる味わいになってしまうと思います。
九州でいうところの「さしみ醤油」「たまり醤油」は甘口醤油として紹介しています。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
-
素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
詳細 -
美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
詳細 -
甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
詳細 -
幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
詳細 -
濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
詳細 -
濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
詳細
醤油のつくり方
-
1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
詳細 -
2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
詳細 -
3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
詳細 -
4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
詳細 -
5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
詳細 -
6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
詳細