醤油の知識
醤油蔵で見るポイント/桶の内側
醤油蔵でみるポイント
「醤油蔵に行くときに、必ずみるポイントとかありますか?」と、質問いただくことがありますが、特にないです。一つのポイントだけをみてよい蔵、わるい蔵と判断することはできないですし、そんな単純なことではないと思います。ただ、第一印象として感じることはあります。そして、一通り見学をさせていただいた後に、大きく印象が変わることって、あまりないなぁと感じています。
よい香りとそうじゃない香り
第一印象を与える要素の一つに香りがあると思います。醤油を醸している香りや調味をしている原材料やだしの香り、その土地や建物に染み込んでいる香りなどがまじりあっている印象でしょうか。一方で、ちょっといやだなと感じるものもあって、雑菌やカビに類するようなものだったりします。
ここがきれいな蔵は
蔵の扉をあけた時に、香ばしい醤油の香りに包まれることがあります。その瞬間に、ここはいい醤油をつくっているなと直感してしまうのですが、そんな蔵に共通しているのは製造現場がきれいに管理されていること。特に桶の内側の部分がきれいな状態に保たれているものです。この写真だけを見れば、「それがなに?どうして?」と感じてしまいそうですが、ここがきれいなことは実は大変なことなのです。
攪拌と拭き掃除
醤油は定期的に攪拌といってかき混ぜる作業をするのですが、飛び散った諸味が桶の内側や床に飛び跳ねます。そこが雑菌の温床になるのです。攪拌をして飛び散らないことはないので、ここがきれいになっているということは拭き取っているということ。攪拌後に拭き掃除をしている証になります。
それが当たり前になっているから
攪拌は手間も時間もかかる作業です。その後にしっかり掃除をする人は、他の部分もしっかり管理をしているものです。だから、見学をさせていただく中でここがきれいだと、「この人はしっかりされている方だな」って感じてしまうのです。でも、そんな職人に限って、ここを見てくださいなんて自慢してくることは皆無です。こうすることが当たり前になっているのですから。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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