醤油の知識
赤身と白身にあう醤油は?酢飯屋さんとの一魚一醤イベントレポート
酢飯屋・岡田大介さんとのイベント
岡田さんと出会って10年程。実は、今回が初めてのイベントでした。
このお寿司にはどの醤油が一番合うのか?マグロの寿司と白身とでは合うお醤油は違うのでは?実際に寿司と醤油を並べて食しながら探っていこうという、そんなイベントです。
今回はお寿司の定番「赤身」と「白身」。それぞれ5カン、合計10カンのお寿司と醤油の相性を探っていきました。
まずは、醤油だけの味比べ。
白醤油から溜醤油までの6種類を用意して、そのまま6つの個性を感じていただきました。そして、直感的にどの醤油がおいしいか?どの醤油が比較的苦手か?を集計していきました。
〇=おいしいと感じたもの/×=苦手に感じたもので、それぞれ一つ決めていただき、アンケート形式で挙手して集計。
結果は、見事にバラバラに
人の味覚は様々と言われますが、このようにバラバラになりました。また、一つの醤油に対して、おいしいと感じる方がいる反面、苦手と感じる方もいて、すべての醤油で〇と×が共存していました。
もちろん、そのまま醤油をなめたときの第一印象です。素材とあわせたり、熱が加わると印象も変わってくるはずです。
簡単な醤油の解説
今、味比べをした6種類の醤油の解説をしました。種類毎の製法と特徴、それらを踏まえたおすすめの活用方法などをお伝えし、続いてお寿司との食べ比べに進みます。
いよいよ、赤身と白身にあわせていきます
まず、淡口醤油と溜醤油の2種類をピックアップ。これに赤身・白身にあわせて、相性を比べてみることにしました。
まず、白身に対して、淡口醤油と溜醤油のどちらが相性がよいか?を選んでいただき、続いて赤身でも同様にしました。その結果は以下の通りです。
白身には淡口醤油が優勢
思っていたよりはっきりと結果が分かれました。
淡口醤油はしょっぱさが強くてうま味は低めです。塩やレモンをかけて食したいような素材と相性がよいのですが、その意味で白身との相性のよさが表れたのだと思います。一方で、マグロなどの脂や生臭さのある魚にあわせると、生臭さが強調される印象があるはずです。
赤身には溜醤油がダントツ
そして、赤身には濃厚な醤油をあわせて、その一体感で食すのが最高と、ここははっきりと意見が分かれました。
その他のご意見
- ・再仕込醤油はバランスがよいので万能に使えそう
- ・再仕込醤油は最初に香りが鼻に抜けてくるので、赤身を食す時の一体感はいい
- ・甘口醤油は白身も赤身も独特の味わい/好き嫌い分かれそうだけど、意外と好き
- ・白醤油はおもしろい/普段の醤油とは違う味になる
- ・濃口醤油はやはり定番/安心感があって、ほっとする感じ
醤油の知識ランキング
醤油の種類
-
素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
詳細 -
美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
詳細 -
甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
詳細 -
幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
詳細 -
濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
詳細 -
濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
詳細
醤油のつくり方
-
1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
詳細 -
2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
詳細 -
3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
詳細 -
4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
詳細 -
5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
詳細 -
6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
詳細