醤油の知識
減塩醤油
塩分を半分にした減塩醤油
減塩醤油という表記を目にすることがあります。その名の通り塩分を少なくした醤油なのですが、その低減させた量によって表記のルールが決まっています。
通常の醤油に比べて食塩相当量で20%(重量/容量)以上減らしたものでなければ、食塩を少なくしたという表記はできず、100g中9g以下のものについては「減塩」と表記しなければならないと定められています。
*「減塩」の用語を使う場合の規定:醤油100g中、塩分9g以下
*うす塩、あま塩、あさ塩、低塩などの用語を使う場合の規定:濃口・淡口・溜・白・再仕込みの80%以下50%以上
減塩醤油のつくり方
醤油は微生物の発酵によってつくられるので、低い塩分濃度で仕込みをすると、他の雑菌(醤油にとって有害な微生物)が繁殖してしまい、おいしい醤油になりません。そのため、通常通りの製法で醤油をつくってから、脱塩装置などをつかって塩分を少なくする方法が一般的です。また、比較的塩分、うま味成分ともに高い醤油に加水することで調整する方法もあります。
表記のルールと普通の醤油の塩分量
塩分を減らした表示を行う場合、食品表示基準第7条に従って、以下の4項目を表示しなければならないと定められています。
[①食塩などの表示]
[②低減した旨の表示]
[③低減割合の表示]
[④比較対象品名の表示]
例えば、「通常のこいくちしょうゆに比べ食塩20%カットしています」となります。また、通常の醤油の食塩相当量は、業界の申し合わせにより種類毎に下記のように定められています。
種類 通常の食塩相当量(g/100ml)
濃口醤油 17.5
淡口醤油 19.1
溜醤油 17.9
再仕込醤油 15.6
白醤油 17.9
減塩醤油の活用方法
食べ物を口にいれた時のおいしく感じる要素に適度な塩味は欠かせません。そのため、普通の醤油に慣れている方にとっては減塩醤油はものたりなく感じてしまうかもしれません。塩分の摂取量は少なくしたいけど、減塩醤油は物足りないという方には濃厚な醤油を少量お使いいただくことはおすすめしています。
再仕込醤油や溜醤油などがそれで、熟成期間が長いので見た目は濃いのですが、うま味成分もそれに伴って高くなります。少量でもしっかり味が残りますし、醤油をだし汁で割っていただくと、塩分濃度を下げることができます。
また、再仕込醤油などの濃厚な醤油をかけて食したいものに減塩醤油をかける活用方法もあります。塩分は低いですが醤油のうま味と風味はそのままですので、素材の味を感じやすくなるはずです。まぐろなどの赤身のお刺身などにおすすめです。
職人醤油で扱っている減塩醤油
上の定義に当てはまる減塩醤油は以下の銘柄になります。木桶仕込みの減塩醤油です。
木桶熟成のうまみしっかり減塩醤油
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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