醤油の知識
醤油屋の戦略
国内輸出
国内輸出というとたいそうだが、醤油の生産量が多い地域は、地元での消費用というよりは近隣の大消費地へ販売することを目的に醤油を生産してきた歴史が多いように感じる。千葉県は江戸へ。兵庫県も大阪へ。香川県の小豆島も大阪へ。共通しているのは船で運べる水運に適している土地であるということで、トラックなどの輸送手段がない時代は原料を地元で生産もしくは大きな産地から運んできて、醤油に加工して船に積み込んで出荷をしていくという流れだった。
そのため、それぞれの醤油蔵によって過去にどの顧客に向けて醤油を販売していたかによって醤油の特徴も変わってくる。
地元密着
歴史の長い醤油蔵には、なにかしらの理由がある。醤油そのものの美味しさというのはもちろんのこと、よいものでも売れなくては商売の継続は難しい。一時期は大量生産された低コストの醤油が主流になっていた時期など、小規模メーカーにとっては苦難の時代があったが、切りぬけている蔵元がいる。
いくつかのグループに分類できる気がしているが、一つが地元密着というもの。九州などでは今でも醤油の配達が残っている地域がある。一軒一軒の過程と醤油メーカーが直接につながっている。その過程の醤油の消費量もメーカーの方が把握していたりもするから、そろそろ醤油がなくなる頃に絶妙なタイミングで配達をしていたりもする。
加工品
醤油の生産量は減少傾向にありますが、醤油の加工品は増加傾向にあります。鰹や昆布などのだしを加えただし醤油や、あおさ醤油や燻製したスモーク醤油など種類は豊富。直接なめた時に美味しさを感じやすかったり、他社との違いを出しやすいので製造メーカーによる味や風味の違いも出やすい傾向にある。そのため、様々な加工品を作ってそのバリエーションの多さを強みにしている蔵元もある。
大量生産
大きな醤油メーカーはだめで、小さい醤油メーカーがいいという極端な意見を耳にすることもあるが、必ずしも正しいとはいえないと感じている。戦後から日本全体で経済成長している最中では大量生産にシフトすることで品質の向上と低価格で商品を提供することにしのぎを削ってきた。そのおかげで、過去には高級品だった醤油がこれほど身近な存在になれたといえると思う。
当時としては大量生産に挑むことは時代の当然の流れであり、その中で生じる矛盾に昔ながらの製法に原点回帰する蔵元も表れ、様々な考えの蔵元が生まれた。
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醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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