醤油の知識
鳥山海苔店(3)パワフルな女将さん
鳥山海苔店のもう一人の主役がこの女将さん。
浩司さんのお母様で海苔の業界歴は48年。海苔を焼いている最中も、「この海苔は抜群に美味しいからね。ほれ、食べてみな!」
とにかくパワフル。
そして、この笑顔がとっても印象的なんです。
もう一度、お店の看板に注目してみてください。
当店では厳選した千葉県産のりを
一枚一枚 心をこめて
自店で焼き上げております。
「自店で焼き上げております」というのがポイントで、
そもそも焼いてから売っていると初めて知りました。
特注の専用機械で焼いていきます。
鉄製の網がベルトコンベアーのようにぐるぐる回転していて、
海苔を一枚一枚送り込んでいきます。
「海苔の種類や等級によって、海苔の個性が違うので適した焼き方も違いますよね。
今まではその調整が難しかったのですが、機械を特注して焼く温度と海苔を送るスピードを細かく調整することができるようにしたんです。最初の数枚で焼き加減を見ます。まんべんなく綺麗な深緑色になるように徐々に調整していくのです。」
「ここだけしかないんです。」
「朝焼いたものがここにストックされるのですが、これだけしかストックできないので、焼いて売って、焼いて売っての繰り返しなんです。やはり焼きたてが一番美味しいですからね。」
「そういえば、海苔の賞味期限ってどのくらいなんですか?」
「海苔の賞味期限は結構長いんです。ただ、その期間の根拠は除湿剤の有効期限だったりするんです。海苔の美味しさからいったら新鮮なうちが美味しいのは絶対だと思いますよ。」
ただ、ちょっと面白いのがその保管場所なのです。
お店の一角に小さな棚があって、お客様のお名前毎に保管されています。
「ポイントカードって結構無くすじゃないですか。持ち歩くと財布も分厚くなってしまいますし・・・だからうちでは常連さんにはお店で保管しておいて、その都度取り出してスタンプを押すようにしているんです。」
お客様とのこんな接し方をしているのも鳥山さんならでは。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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