醤油の知識
醤油の量り売り
昔の量り売りの方法
現代では密閉されたペットボトルやビンに充填された醤油を買うことが一般的ですが、過去には醤油の量り売りが行われていました。昭和30年代からスーパーマーケットが誕生して、個別包装が増えていくので、その頃までは量り売りが多かったものと思われます。
ただ、当時はどのように量っていたのかイメージがしにくく・・・ちょうど、群馬県高崎市の岡醤油醸造さんに伺った時に、「当時はどうしていたのでしょうか?」と質問したところ、昔をよく知るOBと年始に会うので聞いておくよと返答をいただき、後日メールをいただきました。
そのメールによると、「醤油の量り売りについて聴いてみましたところ、四斗樽(蓋付きのもの)から2リットル瓶(お客様持参)に入れて売っていたとのことです。 またその際、台が斜めになっており、こぼれた醤油は一カ所に集まり、下にある坪に注がれる仕組みで、それはまた製造桶へ戻されていたとのことです。」
何度も再利用する木製の樽に入れて常温で保管することで、白カビが発生する等のリスクも考えられますが、当時はその前にどんどん売れてしまっていたようだと岡社長もコメントされていました。
ちなみに、一斗=18リットルなので、四斗樽=72リットルです。また、ビンについては一升ビン(1.8リットル)が聞き慣れていると思いますが、2リットルビンも使われていました。ただ、これには地域性があるようで関東地方でよく使われていたようです。
岡社長からこんな補足をいただきました。
「醤油を買いに見えるお客様も「2リットル瓶」を持って来られたのでは…と思われます。2リットル瓶が無くなったのは、瓶の王冠を作る会社が無くなった為です。一升瓶と2リットル瓶では、少し注ぎ口の大きさが違います。当社も十年ほど前に2リットル瓶を大量に廃棄したことを覚えております。」
余談ですが、ビンを斜めに固定して注ぐための「ビンタイ」なるものもがありました。
斜めにする目的は何だろうと思っていたら、斜めにした状態でビンの口まで注ぎ、ビンを立てると適量になっている(注がれる醤油の量が同じになるので、液面を揃えることができる)という訳です。なるほど!と感心してしまいました。
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原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
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ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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