醤油の知識
全窒素分と醤油
うま味成分を測る指標
醤油のうま味成分の量を、全窒素分の数値を使って表しています。一般消費者にはほとんど認知されていない数値ですが、商品ラベルに「超特選丸大豆しょうゆ」などの「超特選」という表示があると思います。他にも「上級」や「特選」などがありますが、これらの等級を定める大きな要素を占めるのが「窒素量」。裏側ではとても重要視されている数値なのです。また、加工品メーカーなど業務用途で醤油を売り買いする際には、「全窒素1.7%以上の濃口醤油」など、規格を定める大切な指標となっています。
ただ、絶対的な指標でもないと思います
全窒素分とうま味成分には相関関係はありますが、それだけで全ての優劣がつけられるものでもないとも感じています。そもそも、うま味成分を直接分析すれば正確なのですが、それにはコストも手間もかかります。そこで、比較的簡単かつ安価に分析ができるケルダール法などを使い窒素の量を調べることで、うま味成分を測っています。
つまり、測られた窒素量の内訳には、人の舌で感じる成分もあれば、感じない成分も含まれています。だから、必ずしも全窒素分が高い醤油=おいしい醤油となならないと思います。(でも、そうはいっても大きな相関関係はあると思います)
同じ窒素量の醤油でも、人が感じる美味しさは様々
また、醤油は微生物の発酵活動によってつくられる醸造調味料で、アミノ酸のほかにも糖分や有機酸といった様々な要素が複雑に溶けあっています。極端な話をすれば、現代の製造技術はとても進化しているので、全窒素分の高い醤油は比較的簡単に作り出せます。
あくまで、全窒素分で測るうま味成分はひとつの指標と捉えるのがよいと思います。同じ窒素量の醤油を比べても人が感じる美味しさは様々ですし、多様性があってこその醤油の魅力だと思います。
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醤油の種類
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濃厚さとうま味はNo.1
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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