醤油の知識
掃除道具が語る蔵元の品質と精神性
きれいな現場と品質の関係性
「よい蔵元の条件は?」と、質問されることがあります。もちろん、一つに絞れるはずはなくて、いろいろありますが、「現場がきれい」というのは一つあるように感じています。
もちろん、醤油の製造現場なので、創業から100年以上なんてことは珍しくなく、建物が重要文化財に指定されていることもあります。また、醤油は発酵によってつくられるため、長年すみついている微生物を考慮して、この部分は掃除をしないと決めている個所があったりもします。そのため、「新しい」とか「ピカピカ」とは少し違う現場のきれいさがあるように思います。
秋田県の石孫本店さんはその代表格。製造工程は昔のまま。小麦を石炭で炒っているところは全国を探してもほとんどないはずです。そして、社長の石川さんは「道具を残すこと、守り続けることが大切な仕事のひとつ」と言います。
そんな石孫本店の現場は、いつも掃除が行き届いています。掃除されてるって感じが床や壁から伝わってくるというか、余計なものが置いてなくて、仕込みや掃除に使う道具もきちっと整頓されている。山の中の神社に行った時のように、しゅっと身が引き締まる感じがするんです。
他の蔵元でも、例えば、事務所であったり、ダンボールなどの包材が保管されている場所がきれいに整理整頓されていると、醤油の製造工程でもきめ細かく向き合っているんだろうなって想像してしまいます。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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