醤油の知識
祖父とスイカの思い出

職人醤油のまたのみほです。
私の祖父は、夕食後に必ずくだものをデザートに食べる人でした。夕食が終わるころになると、母がくだものを切り始める――それが我が家の日課。毎日のことなので高級なものが並ぶわけではなかったけれど、季節ごとのおいしいくだものを食べさせてもらっていたと思います。
りんご屋さんがトラックで演歌を流しながら家まで来ていた風景や、庭のイチジクが木から落ちる前に「早く食べないと!」と慌てて何個もほおばった子供のころの日々が思い出されます。今思えば、なんて豊かなくだものライフだったのでしょう!!
そんな風に育った私は、気がつけば大のくだもの好きになっていました。


そして、祖父がいちばん好きだったくだものは、スイカ。夏になると、ほとんど毎日のように祖父はスイカを食べていた気がします。当時私はスイカにそれほど興味はなかったのに、不思議なことに最近は無性に食べたくなるんです。
この夏も八百屋さんで大きなスイカを見かけては、「実家に持って行って半分こしよう」と抱えて帰りました。そして切り分けながら、「おじいちゃんは本当に毎日くだものを食べてたよね」と母とよく話すのです。
ちなみに、我が家ではスイカに塩をかける習慣がありませんでした。塩をかけて食べると聞いたときはちょっとしたカルチャーショック。みなさんのおうちはどうでしょうか。スイカの食べ方ひとつ取っても、家族の思い出が詰まっている気がします。


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原料処理
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
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諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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