醤油の知識
岡直三郎商店:高校生インターンの蔵訪問
高校生による醤油蔵見学レポート
2023年9月、群馬県立勢多農林高等学校から職人醤油にインターンとして職場体験にきてくらた古井戸珠莉さんと田邊竜の介さん。出荷作業などのお手伝いと併せて、岡直三郎商店の大間々工場に蔵見学にいきました。その時の様子をレポートとしてまとめてくれたのでご紹介します。
以下、原文のままご紹介します!
お店について
長い歴史を持つ醤油屋さんに、見学してきました。昔ながらの和風建築で、なんだか馴染みのある外観でした。中に入ると――。商品がたくさん! 特に醤油の種類は豊富でした。
創業236年の歴史
店裏、醤油製造室の屋根には、大正8年から続くことを証明する、文字が書かれていました。【画像参照】 創業当時は、電球がなかったため、天窓が照明となり、日の出とともに仕事をはじめ、日の入りとともに仕事を終えたのだとか。その名残か、この製造室にも天窓がついており、長い歴史を感じました。
蔵に入ると――。
ツンとした醤油のにおいが――! そして、目の前を見てみると、大きな桶がたくさん! なんとこの桶、新しいものでも100年以上は使われいるのだとか!? 底が抜けないようにメンテナンスをし続けることで、木製の桶でも、こうして長く使うことができるようで、ここでは、桶が大切に使われていることが容易に想像できます。
蔵の2階に上がると――。
職人さんが、桶の中身をかき混ぜている様子が。これは、もろみといい、大豆、小麦、酵母の入った醤油のもとになる固形物です。職人さんは、もろみをかくはんすることで、白カビを抑制し、お客様により安心、安全なおいしい醤油を提供できるよう、日々働いています。 もろみの原材料の大豆ですが、ここでは、すべて国産の丸大豆が使われており、醤油へのこだわりが窺えます。
左の画像はもろみを近くで見たものです。いこのもろみはシーズン初期(春上旬)に仕込まれたもので、(取材時同年9月)みかけは、やわらかそうな固形物で、味噌のような、さわさわとしたような質感でした。土に近い茶色しており、光をあまり反射していませんでした。
右の画像のもろみは、シーズン後期(春下旬)に仕込まれたもので、(取材時同年9月)みかけは、固形物というより液体に近いもので、シーズン初期のもろみより、大豆の面影があり、どろどろとした質感でした。赤黒い茶色をしており、光りを反射していました。
岡直三郎商店の職人さんたち
上の画像より、岡直三郎商店の職人さんたちです。お二人とも、職人歴は10年を超えており、このお店の歴史や、醤油づくりについて案内をしながら教えてくださりました。お二人は、醤油づくりの歴史に触れたい思いで、醤油職人への道を歩み始め、現在ではベテランの職人として活躍されています。ご自身のしごとについて、「日々変化するもろみの変化がおもしろい」「日々の変化を予想し、自分が思ったような変化が現れると、職人としての自信がつく」と、二人とも自身のしごとには誇りを持っており、だからこそ、岡直三郎商店の商品はお勧めできるとおしゃっていました。
以上、岡直三郎商店の歴史や醤油づくりへのこだわり、実際に醤油を作っている職人さんたちの思いについて、お伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか? 私たちは、今まで醤油についてあまり意識せず、醤油はすべて同じようなものだと、思っていました。しかし、職人の手で何年もかけてつくられた醤油を見てみると、それぞれに違うこだわりがあり、また、強い思い入れがあるのだと感じました。 この記事を通して、私たちのように醤油への考え方や、思いが、良い方向へと変われば幸いです。
最後に、今回の取材に協力してくださった、岡直三郎商店の皆様、ならびに職人醤油の皆様へ、心より感謝申し上げます。
勢多農林高校 田邊竜の介 古井戸珠莉
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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