醤油の知識

066|旺盛な発酵期を終えて

お盆前、とても暑い日が続いていましたが、諸味の発酵は徐々に落ち着いてきました。
諸味を分析に出し、アルコールが3%を越えて
ピークに達していたので桶をビニールで覆いました。

昨年も書きましたが、これがアルコールの飛散を抑え、
産膜酵母の増殖も防ぐという地味な作業ですが大きな効果を発揮してくれます。

この作業、足場の上にいる僕は楽なのですが、
壁と桶の間に入って作業する蒲池さんは、大変です。
(僕は体型の問題で壁と桶の間に入れません…。)



夏の櫂入れもこれで終わりです。 



ちなみにこれはビニールに覆う直前の諸味。(仕込み5ヶ月) 



こちらは、仕込みから1年8ヶ月経過した諸味。美味しそうな色になってます。

今年の秋は通常の醤油仕込みに加えて、
この初年度の醤油製品化へ向けての準備もあるので、
ハードな季節になりそうです…。 

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元