醤油の知識

醤油蔵とスコップ

見慣れているのとは少し違うスコップ

醤油蔵でスコップを目にすること、結構あります。先が金属製のよくあるスコップではなく、プラスチック製であることが多いですが、醤油麹をつくる時に、蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ合わせる場面で活躍をしています。

数百キロ単位のものを混ぜ合わせるので、体力仕事なのですが、しっかりと力の入るスコップはとても効率的なわけです。

福岡県のミツル醤油醸造元
秋田県の石孫本店
静岡県の栄醤油醸造

溜醤油の諸味や味噌の掘り出し

そして、もう一つの場面は諸味を掘り出す時です。これは仕込み塩水の少ない溜醤油などに限定されますが、水分が少なくてポンプで吸い出すことができないので、物理的に諸味を掘り出す必要があるのです。同様に、醤油と一緒に味噌を仕込んでいる蔵元では味噌の天地返しや掘り出しをスコップによる手作業を行っているところもあります。

秋田県の石孫本店の味噌の天地返しの様子
ぜんぶ手作業というので、気の遠くなる重労働
スコップにも蔵人の名前が。いつも同じものでないと感覚が違うそうです…