醤油の知識
小豆島の醤油蔵は仲がいい
醤油屋の関係性
一般的に醤油屋同士は仲が悪いと感じています。もちろん、面と向かっていがみ合っているなんてことはなく、地域の会合では仲良く酒を酌み交わしているはずです。
ただ、お互いの製造現場に入って、醤油づくりの深い話をしたことがあるかといえば、そのようなコミュニケーションがとれる醤油屋は少ないように感じます。
考えてみれば、一昔前は同じ商圏でライバルとして競争していた関係です。お互いの現場には立ち入ってはだめとか、製造の立ち入った話をするのは失礼にあたるなどの暗黙の前提があるのかもしれません。
醤油の郷 小豆島
一方で、醤油屋同士の団結の強い地域もあって、その代表格として思い浮かぶのは香川県の小豆島。20軒弱の蔵元が密集していて、醤油の郷としても有名な地域です。
そして、蔵元同士の協力体制も他の地域では見られないものがあります。蔵同士の物理的距離が近いからできることなのですが、麹を共同でつくったり、ビンを共同購入して洗瓶して分け合ったりと、お互いにメリットのある協力体制を持っています。
大消費地に協力して出荷
これには歴史的な背景もあるように感じています。水運が活発だった時、小豆島は船の中継地点になっていて、例えば九州からの船が小豆島を経由して大阪に向かっていました。
大豆や小麦の原材料を運んできて、醤油に加工して大阪に販売することができました。醤油業が発達をしていきます。すると、同じ小豆島の中で顧客を奪い合う関係ではなくて、大消費地に向けて出荷をするために協力体制を作った方がお互いにとってメリットがあったはずです。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
-
素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
詳細 -
美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
詳細 -
甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
詳細 -
幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
詳細 -
濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
詳細 -
濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
詳細
醤油のつくり方
-
1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
詳細 -
2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
詳細 -
3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
詳細 -
4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
詳細 -
5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
詳細 -
6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
詳細