醤油の知識
魚醤は醤油なの?
厳密には醤油ではないけど、同じ仲間と考えることができる
魚醤について説明すると、厳密にいえば醤油ではありません。日本農林規格によって定められている醤油の定義を要約すると、「しょうゆとは、大豆(または、大豆+麦)を蒸煮し、こうじ菌を培養したものと食塩水を加え,発酵と熟成させて得られた清澄な液体調味料」となり、大豆を使っていることが必須条件となっているからです。
ただ、堅苦しい言葉の定義から離れて、醤油を「穀物の塩漬け」とみれば、「魚の塩漬け」である魚醤は同じような仲間と考えることができます。日本各地にはたくさんの魚醤があります。有名な「秋田県のしょっつる」や「石川県のいしり」などから、ローカルなものまであって、共通しているのはその土地でたくさん獲れた魚が使われているということ。
それぞれの土地の特徴があらわれる魚醤
余るほどに大量に水揚げされた魚を腐らせるのはもったいということから塩漬けにしたり、例えば「いしり」のようにイカの身を取り出し、廃棄される内臓などを塩漬けにして有効利用するなど、それぞれの土地の特徴があらわれているのも面白いところです。
魚醤の特徴は、そのうま味成分の多さ。魚のたんぱく質をうま味成分に分解させるので、醤油よりも多いうま味成分をもっていることがあるほど豊富です。一方で、魚醤は生臭いイメージがあるかもしれませんが、これも改善されている印象を持っています。魚醤を製造するメーカーの話を聞くと、新鮮な状態の魚を塩漬けにすることで生臭さを軽減する努力が行われています。鍋物や炒め物などと非常に相性がよい魚醤ですが、刺身などにかけて使う用途もおすすめできます。
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醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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