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職人醤油ヒストリー(8)これから先に考えていること

これから先に考えていること

「もっと大きなサイズの醤油の扱いはないの?」とお問合せをいただくこともありますが、1リットルなど大きなサイズの取り扱いはしていませんし、今後もするつもりはありません。これも各地の蔵元を訪問する中で至った現時点での結論です。醤油に限ったことではないと思いますが、こだわったものづくりをしている「造り手」は、出来る限り消費者との距離を縮めるべきだと考えています。

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自分たちが一生懸命つくった商品を誰が使っているか分からない。結構多い実情だと思います。「美味しかった!」「もっとこうした方がいい。」「去年の方が美味しかった。」そういったことを全て含めて誰がどのような思いで使ってくれているのか。逆に、消費者の立場からすると、誰がどのような考えをもってどのような場所で造っているのか。お互いを知っている関係というのが理想だと思います。いきなり全てを変えることは難しくても、少しでもその距離を縮める立ち位置にいたいというのが私たちの考えです。だから、100mlサイズのみに特化して、気に入った銘柄があれば蔵元へ直接問い合わせください!というスタンスを保ち続けたいと思います。

社名を伝統デザイン工房としているように、活動のフィールドは伝統産業や地域産業です。そして、「しない」と決めていることが二つあって、メーカーにはならないということと、コンサルはしないということです。ものづくりの主体者になるのではなく、よいつくり手にスポットがあたるような環境と、より質の向上に取り組めるような仕組みをつくること。そして、口先だけで好き勝手を言うのではなくて、「こんな取り組みを一緒にしませんか?だからこんなものをつくってくださいよ」という関係性を保ちながら多くのつくり手との接点を広げていきたいと考えています。