醤油の知識
鳥山海苔店(1)鳥山さん登場
「海苔」を買う機会って減っていませんか?
焼き魚や納豆と並んで日本の朝には欠かせない存在と言っても過言ではない海苔。そして、醤油との相性は改めて語るまでもなく、「のり弁当」に代表されるようにご飯と海苔と醤油の組み合わせは抜群の安定感を誇ります。
ただ、私自身、海苔のことって意外と知りません。
海で採れそうなことは想像つきますが、良い海苔だったり美味しい海苔ってどんなものかと問われれば、答えられないような気がするのです。
職人醤油のある群馬県前橋市に老舗の海苔屋さんがあります。
「ちょっと、海苔のこと教えていただきたいんです・・・」と相談すると、
「どうぞどうぞ!ぜひ遊びに来てください。大歓迎です!」と、
快くお招きいただき鳥山海苔店さんに伺ってきました。
迎えていただいたのは鳥山浩司さん。
お若く見えますが、この業界20年の海苔プロフェッショナルです。
1つ質問すると3つ返ってくるくらいに、
海苔を語りだすと止まらない鳥山さん。
まず伺ったのは、
「海苔ってどんな違いがあるんですか?」
「それはですねぇ・・・これを見ていただきたいんです。」
と、アルミが貼られた保管箱をあけて、大きな海苔を広げて見せてくれました。湿気は海苔の大敵なので常にこの箱に入れて室内の湿度には気を配っているそうです。
「すごく年季の入っている箱ですね。」
「これ、実は茶箱なんです。お茶がしけないように保管する箱なんですけど、海苔にも使えるなと思ってずっと使っているんです。」
海苔はご存知の通り海で採れるものです。
網をはって海苔を育てて漁師さんが収穫する。それをこの大きさに加工して、「市場」を経由して全国各地の販売店に運ばれてくるそうです。
「スーパーなどで大きいサイズの海苔が並んでいると思います。21cm×19cmの大きさなのですが、これが10枚で1帖(いちじょう)という単位になります。この白い紙で包まれている束は10帖(海苔100枚)で、業者間の流通だと36束(海苔3600枚単位)でやりとりがされています。」
それぞれを広げていただくと、見た目がまず違うわけです。
表面がツルツルしているものや、光沢のあるもののあります。所々に小さな穴が空いているものや、幾つもの海苔が混ぜられているような色鮮やかなものまで。
「確かに違いますね。」
「これとか綺麗な色でしょ?!」
などと話しているうちに辺りはすっかり磯の良い香りに包まれています。
これは青のりを混ぜてある海苔。
鼻を近づけてみると、確かに青のりの香りがします。
「ご覧いただいたように、一見すると同じようでも様々な違いがあるんです。」
「現在、海苔の消費が最も多いのはコンビニです。おにぎりには欠かせない存在ですよね。ただ、コンビニさんとうちのような小さな海苔屋だと扱いたい海苔が違うわけで、逆にいうとそこが我々の個性が発揮できる理由だったりします。」
「それでは大きく海苔の違いを見ていただいたところで、
少し細かく見て行きましょうか。」と鳥山さんがFAXの束を広げだしました。
これは海苔の「競り」の出品リストなんですけどね・・・
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醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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