醤油の知識

029|出麹

11月19日
いよいよ、40年振りの仕込み第一号の醤油麹が完成。

出麹の状態
黄緑に見えるのは胞子です。初日に接種した種麹の正体はこの胞子です。


麹を崩すと中はしっとりとした感触で、胞子が舞います。


手入れして崩した状態。


なんとか無事に麹が出来て、ホッとしました。


麹を仕込み場に運んで、いよいよ桶に投入。


桶の中には昨日作った塩水を張っていて、その中に麹を落としていきます。
最初の一枚目は社長である父が投入。


次に専務である叔父。


そして、岡本さん。


最後に私です。


最初の仕込みということで、始めだけ儀式的に麹箱から桶に投入しましたが、
一通り終わったので、室の中で大きなパレットに麹を移します。


そして、仕込み場へ運びリフトで上げて落とします。
これだと、だいぶ楽です。 パレットには麹箱10枚分が入ります。


麹と塩水が均一になじむように、入念に攪拌します。
写真で白っぽくっているのは、麹の胞子が舞っているから。


仕込み終了後、桶の上から。
硬くゴツゴツした感じです。
この作業をあと3回(計4回)行なうと桶一本が仕込み終わります。


見学者の方に桶の中の状況を分かりやすく伝えるため、花瓶に諸味を入れてみました。
今後、定期的に花瓶に入った諸味の状況を報告していきます。


最後に、今回無事に一回目の製麹ができたのは広島から駆けつけてくれた岡本さんが
すべての面で指揮をとって下さったお陰です。

こんなに素晴らしい師匠にめぐり会えたことを、とても誇りに思います。

最初の仕込みを一緒にできて、とても嬉しかったです。

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元