醤油の知識

078|4年目の仕込み

年が明けてようやく初の更新となりました。

年末に空にした2010年仕込みの桶二本。これに2013年仕込みを行います。

まずは、3年間もろみが入っていた桶を洗浄しました。
前回の諸味の微生物を残すという意味では、洗わずに使うのもアリだと思いましたが、気分的にスッキリしないので高圧洗浄機を使って洗いました。



洗った後にポンプで汲み出し、また水で流して汲み出すというのを何度も繰り返し、最後にタオルで水分をしっかり吸い取ります。



水で洗うという事は桶に染みたもろみの成分が薄まるので、気をつけないと微生物汚染のリスクがあります。ただ、今は気温も低く仕込みの直前に洗浄する事で、そのリスクは回避出来たと思います。



今回、桶の外側も洗浄して乾燥させ柿渋を塗ってみました。
5回は塗り重ねてみたものの、醤油が一度しみ込んだ部分には柿渋が着きませんでした。

まだらで変な見た目になってしまいましたが、1年目に使った桶はやはり愛着や思い入れが格別です。2順目となる、2013仕込みもがんばります!

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元