醤油の知識
職人醤油ヒストリー(4)そして、醤油にたどりつく
そして、醤油にたどりつく
10アイテムくらいに絞り込んだリストを片手に、友人と東京駅の八重洲北口にあるカフェで雑談をしていました。ふと友人が「この醤油って面白いのでは?!」と一言。そういえば、私の母がインターネットで初めて買ったものが醤油だったと思い出しました。学生時代にあった母からの電話は、「インターネットにクレジットカード番号を入力して大丈夫なの?」というものでした。パソコンを使っていることすらも驚きだった母が、買いたいと思っていた醤油に何かがある気がしました。
まずは30軒の醤油メーカーを訪問しようと決めました。一番近くの醤油メーカーを調べて電話をすると、その日の午後に来て良いとのことで、大急ぎで醤油の基礎知識を詰め込んで伺いました。そして、数珠つなぎのように関東近辺のメーカーをひたすら訪問していきました。ほどんどが飛び込み状態だったので、最初は怪訝な顔をする職人さんたちでしたが、私を見るなり、「おぉ。若いな!こんな儲からない業界に何しに来たんだ!辞めておいたほうがいい。」と言いつつも、みなさん優しくいろいろと教えてくれました。
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こんな調子で醤油蔵を訪問していくと、少しずつ醤油のことが分かり始めてきました。製造方法はもちろんですが、原料一つをとっても、丸のままの大豆や油を抜き取った脱脂加工大豆、中間製品である生揚醤油の段階から製造するメーカーなど様々です。最新の大型設備でつくっているメーカーがあれば、昔ながらの木桶で仕込んでいる蔵もあったりと、一言で醤油といっても、全く異なる醤油が存在していることを知りました。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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