醤油の知識
職人醤油ヒストリー(2)退職の決意
退職の決意
営業マン生活3年目の2006年。正月に実家に帰省しながら考えていました。3年くらい経てばやるべきことが天から降ってくるだろうという甘い期待が実ることはなく、具体的にコレというものは相変わらず見つかっていませんでした。でも、独立して自分の道を歩んでいきたいという思いだけはあり、もやもやした気分になっている時に、この文章に出会ったのです。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズの卒業祝賀スピーチ(2005年6月12日、スタンフォード大学)「自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にすることなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。落ち着いてしまっちゃ駄目です。」この文章が最後の一押しでした。
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そうだ、探せばいいのだと机に向かい、一つの仮定をしてみました。仮に自分に営業の力があるとして、営業力が足りなくて困っている業界や分野はどこだろう?思いつくままにリストアップしていきました。その中でふと目がとまったのが「伝統産業」や「地域産業」。論理的にこうだというものではなく、なんとなく目がとまったという感じで、お洒落なパスタ屋よりも老舗の蕎麦屋に行く方が好きだなと、その程度の感覚でした。
その数日後、車のラジオを聴いていました。「ゲド戦記」などの翻訳者で児童文学研究者の清水真砂子さんが「子供にどんな絵本を読ませたらよいか?」という質問に答えたのは、「長い間、読み続けられている本がいいですよ」というものでした。多くの人がよいと認めたから長く読まれるわけで、時間が証明してくれているという内容でした。その時、先日リストアップした「伝統産業」というワードがふと頭によみがえってきたのです。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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