醤油の知識
大豆を使っていない醤油は?
大豆を使っていない醤油は?
小麦を使っていない醤油はグルテンフリー醤油などとよばれて、溜醤油などがあてはまります。一方で、大豆を使っていない醤油はというと、少し話がややこしくなります。
醤油の定義は農林水産省が日本農林規格として定義しています。以下、抜粋したものです。
次に掲げるもの
a)本醸造方式によるもの
もろみを発酵させ,及び熟成させて得られた清澄な液体調味料
そして、「もろみ」の定義は「しょうゆこうじに食塩水又は生揚げを加えたもの」となります。さらに「しょうゆこうじ」の定義は「大豆又は大豆及び麦,米等の穀類を蒸煮その他の方法で処理して,こうじ菌を培養したもの」となっています。
つまり、「大豆」or「大豆&小麦」を使っていないとそもそも醤油の定義に当てはまらないということになります。そのため、小麦を使っていない溜醤油は醤油なのですが、大豆を原材料に使わないと醤油と名乗ることができないのです。
大豆を使っていない「しろたまり」
醤油の種類の中で大豆の比率が少ないのは白醤油。小麦が主原料で大豆は1~2割程度です。愛知県の日東醸造は昔の白醤油を追求し試行錯誤するなかで大豆の比率を少なくしていって、最終的に大豆を使わない醤油にたどり着きました。
大豆を使っていないために醤油と表記する事ができず「小麦醸造調味料」という表示になっていますが、味わいは白醤油として使えます。
魚醤は穀物をつかっていない醤油とも
また、広い意味では醤油の仲間になるといえるのが魚醤です。日本のルールでは大豆を使っていないため、醤油とよぶことはできませんが、塩漬けによる製法という視点でみればルーツは似ているはず。「醤」はひしおと読み穀物を塩漬けしたものが醤油や味噌になり、野菜を塩漬けしたものが漬物になり、魚を塩漬けしたものが魚醤になったものと考えられています。
東南アジアのナンプラーなどが有名ですが、日本の各地にも魚醤はあって、石川県の「いしり」や秋田県の「しょっつる」などは有名ですよね。
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醤油の種類
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白醤油
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再仕込醤油
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溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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