醤油の知識

醤油の製造現場にハシゴは欠かせません。醤油のもとになる諸味を入れる容器は様々なタイプがありますが、限られた土地で生産量を増やすには、容器は高く大きくなっていきます。

大型の屋外発酵タンクはビルのような高さになるので、ハシゴというより階段が付いていたりもしますが、数メートルの高さになる木桶やプラスチック製のタンクにはハシゴが備え付けられています。

容器の上からする作業は様々で、原材料を入れる、中の様子を確認する、諸味を撹拌する等、日常的な作業内容があります。それらをスムーズに行うために、桶の上に床を貼っている場合もあります。上の写真がそれで、桶の高さに合わせて床を貼っていて、床の下に桶が埋め込まれているような状態です。

その床の下の様子がこれです。床を貼ると、上での作業性は向上しますが、桶の移動が難しい等、桶の修繕やメンテナンスに苦労することがあります。そのため、桶の間隔をあけて設置することで、歩き回りやすくする工夫をしていたりします。

床を貼らない場合は、桶全体のシルエットが見えて堂々たる光景です。上からの作業ができるように足場をつくるなどをしています。また、桶の上に板を渡して、その上で作業をしています。この時にはハシゴは必須。また、細い板の上での作業は尻込みしてしまいそうですが、慣れた職人はすいすい移動をしています。

溜醤油の場合は、仕込み水の量が少ないため、スコップで諸味を掘り出す作業があったり、桶の下部から液体を引き抜く生引きという作業があるため、板を貼っていない場合が多いです。