醤油の知識
soybeansは醤油が由来
日本では昔から使われていた大豆。英語圏では18世紀から。
大豆の英語表記。その由来は醤油=soyからきているようです。日本と大豆の関りは古く、大宝律令(701年)の中に醤油の原形となる醤の表記があります。その時には大豆が使われていたと考えられ、また、縄文時代の遺跡からも発見されているようです。
一方で、英語圏にとって、大豆は18世紀に持ち込まれた外来作物。そこで、醤油をつくるために使われる豆ということでsoybeansという名が付けられたようです。過去の文献には「Japan Pea」「Japan Bean」「Soja bean」などの表記も見られるそうですが、日本語のshoyuがオランダ語のsoya、sojaを経て、豆(bean)と結びついたことが語源になっているようです。
畑の牛肉ともいわれていた大豆。
大豆にはたんぱく質が豊富に含まれています。日本人は伝統的に穀類・豆類・魚介類・木の実などをたんぱく質源としてきましたが、当時の食卓には大豆を使った料理が溢れていたはず。
煮豆はもちろん豆腐に納豆、味噌に醤油など、食事毎に何かしらの形で大豆を口にしていて、海外ではそれが肉であったり昆虫であったりとしていたのだと思います。現在の日本の大豆の使われ方を見ると、多くは搾油目的で消費されており食用は3割ほどになります。
醤油を英語に翻訳すると、soy sauce だけど…。
醤油を英語に訳すと「soy sauce」。ソイソースです。同じsoyが使われているはそうなのですが、「sauce」の影響で醤油が正しく伝わっていないようにも感じています。
それは、ソースから連想されるつくり方は、「混ぜてつくる」「煮詰めてつくる」などが多いようで、醤油づくりの根幹である「発酵」とはすぐに結びつかないようです。近年、醤油蔵に見学にくる外国人も増えていますが、蔵の中に入ると「これって、ワインに近いよね。発酵だね」という反応になるようです。
特に、木桶で2~3年程熟成させている醤油を目にすると、「木製の容器で数年の熟成させるって、ワインやバルサミコ酢に似ているけど、価格は驚くほど安いね(笑)」と言われる事も多いとか。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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