醤油の知識

2番搾り

二番搾りは、現代ではあまり聞かない圧搾の手法です。

諸味を搾ると、醤油と搾り粕とに分離されます。この搾り粕に残っている醤油の成分をさらに抽出するために、搾り粕に塩水を加えて、再び搾ったものが「二番醤油」や「番醤油」と呼ばれていたそうです。

最初に搾った一番搾りにはうま味が十分含まれていますが、二番搾りのうま味は減少します。そのため、一番搾りは高級品で、低価格なものは二番搾りにするなど商品のランクを分けて販売されていたようです。また、一番搾りと二番搾りをブレンドすることで品質と価格のバランスをとっていたという話も聞きます。

圧搾の圧力が低い時代の製法

この製法は圧搾に機械の力が使えなかった時代のものです。諸味を搾るにはかなり強い力が必要で、水圧や油圧の圧搾機がない時代の搾り粕は、まだまだ醤油が搾れそうな状態だったはずです。そこから搾りきるにはどうするかを考えた製法だったのだと思います。

ただ、現在はかなり強い力で圧搾できるため、一番搾りで十分に搾り切ることができます。そのためほとんど目にする機会はないと思います。

白醤油では二番搾りが残っています

白醤油の場合は、桶底にたまった液体を圧搾せずに生引きします。底に溜まった液体だけを取り出すため、残った諸味に塩水を加えて圧搾する場合があります。生引きされたものが一番搾りで、圧搾されたものが二番搾りという訳です。呼び方は同じですが、昔の二番搾りとは製品としてのニュアンスは違うように感じています。