醤油の知識
2番搾り
二番搾りは、現代ではあまり聞かない圧搾の手法です。
諸味を搾ると、醤油と搾り粕とに分離されます。この搾り粕に残っている醤油の成分をさらに抽出するために、搾り粕に塩水を加えて、再び搾ったものが「二番醤油」や「番醤油」と呼ばれていたそうです。
最初に搾った一番搾りにはうま味が十分含まれていますが、二番搾りのうま味は減少します。そのため、一番搾りは高級品で、低価格なものは二番搾りにするなど商品のランクを分けて販売されていたようです。また、一番搾りと二番搾りをブレンドすることで品質と価格のバランスをとっていたという話も聞きます。
圧搾の圧力が低い時代の製法
この製法は圧搾に機械の力が使えなかった時代のものです。諸味を搾るにはかなり強い力が必要で、水圧や油圧の圧搾機がない時代の搾り粕は、まだまだ醤油が搾れそうな状態だったはずです。そこから搾りきるにはどうするかを考えた製法だったのだと思います。
ただ、現在はかなり強い力で圧搾できるため、一番搾りで十分に搾り切ることができます。そのためほとんど目にする機会はないと思います。
白醤油では二番搾りが残っています
白醤油の場合は、桶底にたまった液体を圧搾せずに生引きします。底に溜まった液体だけを取り出すため、残った諸味に塩水を加えて圧搾する場合があります。生引きされたものが一番搾りで、圧搾されたものが二番搾りという訳です。呼び方は同じですが、昔の二番搾りとは製品としてのニュアンスは違うように感じています。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
-
素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
詳細 -
美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
詳細 -
甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
詳細 -
幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
詳細 -
濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
詳細 -
濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
詳細
醤油のつくり方
-
1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
詳細 -
2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
詳細 -
3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
詳細 -
4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
詳細 -
5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
詳細 -
6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
詳細