醤油の知識
醤油の原材料
基本の原材料は大豆・小麦・塩
醤油の基本原料は大豆・小麦・食塩。大豆のたんぱく質がうま味成分のアミノ酸に分解され、小麦のでんぷんが甘味や香りのもとになるブドウ糖に分解されます。そして、雑菌から守りゆっくり時間をかけて醸造させるのに欠かせないのが食塩です。
また、商品ラベルの原材料には表示されませんが、醤油づくりの主人公ともいえる麹菌も欠かせない存在です。醤油メーカーは麹菌を専門に扱う種麹メーカーから購入するケースがほとんどで、日本酒や味噌など醸造に関わるメーカーの多くも同様です。
大豆を使っていないと醤油ではない
日本農林規格(JAS法)では、「醤油は大豆を原料にすること」と定めてられていて、大豆を使わないと醤油と呼ぶことができません。そのため、魚醤などは醤油ということができません。
大豆
醤油に使われる大豆には「丸大豆」と「脱脂加工大豆」の2種類があり、流通する醤油の8割以上は「脱脂加工大豆」からつくられています。
脱脂加工大豆は大豆油を採油する際にたんぱく含量や粒度を醤油醸造用に調整したもので、1940年頃から使われるようになりました。油をあまり含まない分、うま味成分が高く、フレーク状の形状から成分の分解や溶出も早いという特徴があります。風味の違いとしては、丸大豆醤油はまろやかで、脱脂加工大豆醤油はキレがあると表現されることが多いです。
小麦
小麦のでんぷんはブドウ糖に分解され、醤油の甘味や香りをつくっていきます。大きくとらえると、小麦の成分が醤油の香りをつくっているといえますが、小麦にもたんぱく質は含まれています。それが分解されたアミノ酸がうま味成分となるので、醤油全体のうま味の約25%は小麦由来になります。
塩
醤油の味わいに欠かせない塩味。製造過程でも塩があることで雑菌から醤油を守って長期熟成を可能にしています。メキシコやオーストラリアなどの外国産の天日塩を使用する場合が多いように感じています。
麹
蒸した大豆を炒った小麦に混ぜ合わせて、種麹を繁殖させたものが麹です。種麹が成長する過程で生み出されるものが酵素で、この酵素が大豆のタンパク質をアミノ酸に、小麦のでんぷんをブドウ糖に分解してくれます。
分解能力の高い酵素を生み出さないと後工程全てに影響するので、麹づくりが最も大切と表現されることも多いです。種麹を専門にあつかう種麹屋(もやし屋)から全国の醸造業者が購入をしています。
アミノ酸液やアルコール
大豆や小麦の主原料の他に、米やうま味成分(アミノ酸など)、甘味料(ステビア、甘草、サッカリンなど)、保存料(アルコール、安息香酸ナトリウムなど)を加える醤油もあります。そして、九州などの甘い醤油が好まれる地域ではアミノ酸液を原料に使うことが多いです。アミノ酸液はトウモロコシや大豆などからつくられたうま味成分が凝縮されている液体で、搾った醤油とまぜ合わせたり、諸味の段階で入れて一緒に熟成させるなどの使い方をします。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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