醤油の知識
103|実験その後
今年もあっという間に残り少なくなってしまいました。 11月に入って9年目の醤油仕込みも始まり、慌ただしく過ごしています。
仕込みの話はまた次回に書くとして、前回記事に書いた酒粕と塩のペーストを桶に塗り、桶の縁などに増殖する産膜酵母やカビを抑制できるか?という実験の結果報告です。下の写真が春にペーストを塗った状態です。
結果は、縁や側面の増殖は通常の70~80%くらいに抑えられました。 上の写真、見た目は汚い感じですが粕や塩が定着して産膜やカビは出てない状態です。
ただ、下の写真は産膜酵母が出ています。各桶に塗った面積の20~30%こういった箇所がありました。傾向としては、壁側や隣の桶と近い部分など、通気が少ない所に見られるように感じました。
しかし、あれだけ塩がびっしりある上でも増殖してくるとは手強いです。 桶の上にはビニールを被せていましたが、側面の下部でビニールが届かずはみ出している箇所には、夏場に黒いカビが出ていました。(覆われている部分にはそのカビは無かった)
一番重要な、縁や側面の汚染を防ぐ事と諸味の産膜酵母出現の関連性は、思った程の効果を感じませんでした。 ただ、例年夏場に2~3回桶まわりの掃除をしていましたが今年は0でした。
塩粕を塗るのも面倒ですが、それを差し引いても産膜やカビを削ぎ取って掃除するのに比べたら楽でした。今年もまたやろうと思っていますが、他によりいい方法が無いか模索中です。
1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。
ミツル醤油醸造元
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原料処理
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2
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3
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4
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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