醤油の知識
醤油ソフトクリーム
キャラメルを連想させる醤油ソフトクリーム
工場見学ができる醤油メーカーが増えていますが、そこで「醤油ソフトクリーム」を見つけると、ほぼ必ず食べてしまいます。子供の頃からのソフトクリーム好きというのもありますが、みたらし団子やキャラメルを連想させる味わいは純粋においしいと思います。そして、その開発ストーリーを聞いていると、いくつかの共有点があって、醤油が抱えるジレンマがそこにあるようにも感じるのです。
「醤油の味わいをしっかり感じる」ポイント
醤油ソフトクリーム。その商品開発の様子を想像してみてください。条件を変えてつくった醤油ソフトクリームを、いくつも並べて試食をすると思うのです。醤油の種類を変えたり、醤油の量を変えたり。そして、何人もの意見を集めながら、このあたりがいいよねとポイントを絞っていく。そして、ここで問題になるのが、「ソフトクリームとしておいしい」ポイントと、「醤油の味わいをしっかり感じる」ポイントが違うという問題です。
ここがピタリと一致することは少ないと思います。「ソフトクリームとしておいしい」ポイントは、醤油が入っているかどうか分からないくらいくらいの、まさに隠し味として使うくらいの感覚だったりも。醤油の主張は控えめ。じっくりと神経を集中させると、そう言われれば醤油が入っているかもしれないというレベルの時もあるかもしれません。
でも、「醤油ソフトクリーム」と打ち出すからには、醤油が入っているというインパクトも欲しいわけです。醤油の味を期待されているのも分かっているので、「確かに醤油が入っている!おいしいね」という感覚をつくりたい。このバランスが難しいわけです。
醤油メーカーの個性を表していることも
いくつかの醤油ソフトクリームを食べ比べてみると、「これは醤油が控えめだな」「こっちはすごく醤油がガツンとくるな」と、味わいが様々。きっと開発過程でいろいろな話し合いがあったんだろうなと想像してしまいます。醤油を抑え気味にするか、しっかり主張させるか、微妙なさじ加減ですが、どちらの方向性を選択するかがその蔵元の特徴を表していたりもすると思います。
醤油の知識ランキング
醤油の種類
-
素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
詳細 -
美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
詳細 -
甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
詳細 -
幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
詳細 -
濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
詳細 -
濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
詳細
醤油のつくり方
-
1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
詳細 -
2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
詳細 -
3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
詳細 -
4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
詳細 -
5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
詳細 -
6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
詳細