職人醤油の蔵元
宮醤油店
「南房総といえば宮醤油!」になりたい
周囲の醤油メーカーが設備投資ブームに走った時、「たまたま」余裕がなくてできなかった。それが昔ながらの製法が残っている理由といいます。だからこそ、貫き通された品質とそれに向き合うスタンスはずっと健在のように感じます。
質にはこだわりたい
うま味がつまってバランスの良い正統派の醤油。きれいな香りと濃すぎない色合いは同業者からも評価の高い醤油です。ただ、これを桶仕込みの天然醸造でこれを実現している背景には常に質にこだわってきた歴史があります。
そもそも麹づくりから自社で手がける醤油蔵は非常に少数です。「大手と同じ土俵で戦ったら絶対に勝てない。品質に集中して自分たちが正しいと思う醤油づくりをしています。」と宮社長は言いますが、大手メーカーひしめく千葉県にあって180年間続けてこれたのには、何かしら他の理由もあるような気がしたのです・・・
生協との出会いはこんなきっかけから
「何十年も前の話ですけど、商品の卸先である自然食品のお店が潰れてしまったんです。当然、債権者や関係者が店舗に残っている資産の差し押さえに集まるのですが、先代は見事に遅れて到着したそうなんです。」
「宮さん、こんなに遅く来ても何も残っていないよ!」といわれる始末。
「本当は悔しくて捨てセリフ的に言ったんだと思うのですが、『何をいっているんだ!今までお世話になっていたんだから、挨拶をしにきただけだよ!』って言ったらしいんですよ。」すると、その言葉をきっかけに集まっていた人たちは、「確かに、それもそうだ・・・」と、その場は一時解散になったそうです。
「宮さんのおかげで助かった。ありがとう!」と、自然食品店の社長さん。店は潰れて何も残っていないけど、せめてもということで紹介をしてくれたのが「生協」だったそうです。当時はまだ会員数も少なく、今ほどの規模では到底なかったそうですが、生協の会員数増加に伴って、宮醤油も安定供給できる流通経路が育っていくことになります。
いつでも見学を受け入れる蔵
その後、少しずつ注目を浴びるようになってきた自然食系の専門店や生協。しっかりと価値を認めてくれる顧客との繋がりが太くなってくると、「実際に製造現場を見たい!」という声が出てきたそうです。
それまでは外部の人が入ることを想定していなかった蔵の内側。見学の導線づくりや掃除を繰り返しながら、その声に応えていると生協の会員さんが定期的に蔵に見学に訪れるようになります。すると、このスタンスが普通になってきて、今では一年を通して工場見学を受け入れるようになっています。
いつお越しいただいても蔵の中を見せられるように保っていますが、これは自分たちのメリットにもなっています。「見せられる製造現場」の維持は最初は大変でした。でも、慣れてしまえば普通になります。人に見られるという意識が掃除の一つをとっても違いが出てきますから。
千葉県で一番南に位置する醸造蔵
価格 : 450円+税
原材料 : 大豆(遺伝子組換でない)、小麦、食塩、アルコール
コクのある超特選醤油はお刺身で
価格 : 500円+税
原材料 :小麦(アメリカ、カナダ、国産)、脱脂加工大豆、食塩、大豆/アルコール