職人醤油の蔵元
庄司久仁蔵商店
地域につながり山形の味を家族で支える
「このあたりでは、玉こんにゃく、ラーメン・そば、いも煮。この3つだね。どれも醤油が欠かせない」と話す庄司秀雄さんは醤油づくり65年。「80歳で体がガタっときた。それで仕事をセーブしたけど、どうも調子が悪い。仕事とテニスの生活に戻すと調子がいいんだよ」と、今でも火入れの現場に立っています。温度の上げ下げや、どの程度寝かせるかなど、庄司さんならではの経験が味を支えています。
住宅街の中にある趣を感じる店舗
山形駅から車で10分ほど、住宅街の中にレンガ造りの煙突がそびえ立っています。その煙突を中央に左の建物が工場で、右が店舗兼事務所。「庄司久仁蔵商店」と書かれているガラスの引き戸がよい雰囲気を出しています。
長年の経験が活きる火入れの技術
庄司秀雄さんは醤油づくり65年。今でも現役で火入れ工程を担当しています。「どこまで温度をあげるか、その温度をどのくらい保って、いつ冷却に切り替えるか。そして、火入れからどのタイミングでビン詰めするかも大切なんですよ。直後はしょっぱく感じますが、時間が経つほどに塩カドがとれてまるみをおびてくるんですよ」と、解説をしてくれます。
ほとんどの醤油を配達しています
「山形県はアミノ酸液を加えた混合醤油が主流ですね。お客様の声を聞くと、香りよりうま味を求める声が多い。だから、力を入れているのはコクとうま味です」と専務の庄司秀一さん。販路はほとんどが直販で、業務用はもちろんのこと一般家庭への配達も続けています。
顧客と直接つながっているからこそ
「昔は小売店や酒屋が醤油を売ってくれていたのですが、スーパーやコンビニの出現で軒並み廃業に…。すると醤油を扱ってくれる店舗が日に日に少なくなってきて、今では直接販売をしています」と秀一さん。
どの醤油が人気ありますかと質問をすると、「アミノ酸液と生揚醤油の配合バランスでいくつかの醤油の種類があって、さらに、だし醤油などもあります。一般のご家庭はこの醤油で、料理屋さんはこれ、ラーメン屋さんはこれを好みますね」と、すらすら出てきます。顧客と直接つながっているからこその回答。
山形の地域につながって、地域の味を支える。このスタイルがずっと続いていくのだろうと思います。
山形の芋煮にも使われる穏やかな甘み
価格:400円+税
原材料 :アミノ酸液(国内製造)、食塩、脱脂加工大豆、小麦、砂糖/アルコール、調味料(アミノ酸等)、ビタミンB1、酸味料、カラメル色素