お知らせ

ホーム 〉お知らせ 〉 イベント情報 〉 11/8 木桶仕込み醤油勉強会(料理人限定)

11/8 木桶仕込み醤油勉強会(料理人限定)

木桶醤油の特徴と活用方法を解説します


日時:2021年11月8日(月)15時~16時

形態:zoomによるオンラインセミナー

参加費:無料(100ml醤油×6本を事前にお送りします)

参加条件:料理人(飲食店の店舗オーナー/飲食店にご勤務の方)

解説者
  • 山本 康夫(ヤマロク醤油)
    小豆島の醤油蔵「ヤマロク醤油」の5代目。「子や孫の世代に木桶仕込みの本物の醤油を残し伝えます」が企業理念。「木桶職人復活プロジェクト」発起人で、自ら木桶づくりも手掛ける。
  • 長田 勇久(日本料理 一灯)
    愛知県出身。「つきぢ田村」での修業を経て実家である小伴天(愛知県碧南市)に戻る。「小伴天はなれ 日本料理 一灯」を開店し、地元生産者との繋がりを大切にし、複数の白醤油や溜醤油を使いこなす。
  • 高橋 万太郎(職人醤油)
    日本各地の醤油を100mlの小瓶で販売する「職人醤油」を運営。今までの訪問した醤油蔵は400以上。「醤油の使い分け」を当たり前にする取り組みを推進中。

木桶仕込み醤油とは?

木桶で仕込まれた醤油です。昔は「醤油」「味噌」「酢」「みりん」「酒」などの基礎調味料は木桶でつくられていましたが、製造現場の工業化が進み、現在では木桶仕込み醤油の流通量は全体の1%ほどに減少しています。

ただ、若手の醸造家を中心に木桶仕込みへの再興が進み、海外からのオーガニック醤油、グルテンフリー醤油に加えて「KIOKE SHOYU」としての引き合いが強まっています。また、人気ラーメン店で複数の木桶醤油をブレンドするなど飲食店からの注目の高まりも感じています。

木桶仕込み醤油の特徴

クラフトビールを連想いただくと分かりやすいと思います。大手メーカーの万人受けする味わいに対して、個性的な味わいを表現する地方の醸造所があるように、木桶醤油は地域性やつくり手の目指したい味わいが表れます。

木桶は寿命は100年~150年といわれ、醤油づくりの主人公である微生物が、その蔵元特有の生態系をつくりあげています。

桶も生きている

木桶に使われることの多い杉の木材。その表面を拡大すると無数の小さな穴があり、発酵の主人公である微生物が住み着いています。そして、わずかに空気を通したり水分をため込んだりと、日々表情を変える姿は桶が呼吸をしていると表現されるほどです。

その蔵元だけの生態系

そこに住み着く微生物は、その蔵元特有の生態系をつくります。研究機関に持ち込むと、新種の微生物であることもしばしば。百年を超える歴史の積み重ね。その蔵元にしか出せない味の理由がここにあります。

時間がつくる味

桶仕込みの多くは春夏秋冬の温度変化に応じて発酵をする天然醸造。最低でも一年、長いものだと三年の時間を要します。時間がつくりあげる味わい。うま味成分のグルタミン酸の量が多くなるとの研究結果もあります。

伝統的な調味料の喪失

江戸時代までは、和食のベースとなる醤油、味噌、酢、味醂、酒などの基礎調味料は「木桶」でつくられていましたが、費用対効果が合わないという理由で減少の一途をたどり、醤油業界の例では全体の1%以下まで落ち込んでいます。

木桶の技術がなくなろうとしています

現在使われている木桶の多くは戦前に作られたものです。新桶がほとんどつくられない時期が続いたため、10年ほど前には醸造用の木桶を製造する桶屋さんも残すところ1社のみという状況でした。近年、木桶仕込みが見直され、注目の高まりとともに木桶仕込みを復活させる蔵元や木桶職人が増えつつあります。

醤油の種類によって相性のよい素材は異なる

醤油の種類によって個性は様々です。当然、あわせておいしい素材は異なると感じています。「修行の時に使っていた醤油は変えにくい…」という声をよく耳にしますが、この機会に醤油を改めて知っていただき、選択肢の幅を広げていただけるとありがたいです。調理全般の醤油を変えることは難しくても、刺身などつけ醤油は比較的お試しやすいと思います。

→ 3つの醤油を注げる三口醤油皿もあります

醤油はワインと同じように捉えることができる

白ワインと赤ワインに相性のよい素材や料理があるように、醤油にも個性に応じて適したペアリングがあります。琥珀色で素材を活かす白醤油から、熟成期間が長くうま味成分に溢れた溜醤油まで、醤油の種類の解説と料理への活用方法を提案します。

  • 白醤油│素材を活かすNo.1選手

    醤油の中で最も色の淡い琥珀色をした醤油。主原料は小麦で熟成期間は短く、うま味は抑えめで素材を活かすための醤油です。炊き込みごはんに使うと醤油の色がつかず、お吸い物や茶碗蒸しなども彩り豊かに仕上がります。白醤油にだしを加えた「白だし」はよく知られていると思います。
  • 淡口醤油│美しき京料理に必須

    西日本でお馴染みの淡い色の醤油。煮物やお吸い物など素材の彩りや出汁を活かしたい料理に使われます。見た目は淡いですが塩分は高め。濃口醤油よりも少量で塩味が効くので使用量も少なくてすみます。色を綺麗に演出することはもちろん、塩やレモン代わりにかける用途でも活躍します。
  • 甘口醤油│甘みをつけた地醤油

    九州や北陸などでは一般的な存在。アミノ酸液と甘味料で味付けをしていて、醤油メーカーによって味わいは千差万別。醤油メーカーが一般家庭に醤油の配達を続けている地域もあります。白身の刺身や煮つけに相性がよく、焼きおにぎりや卵かけご飯も人気です。
  • 濃口醤油│幅広く使える万能醤油

    一般的な醤油で流通量の8割はこのタイプです。特に東日本で見かける醤油のほとんどが濃口醤油だと思います。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、全国各地で生産され、万能という言葉がぴったりでつけ醤油から料理用途まで何にでもよくあいます。新鮮な醤油はきれいな赤色をしていて風味も豊かです。
  • 再仕込醤油│濃厚なうま味とコク

    熟成期間の長い濃厚な醤油。醤油で醤油を仕込む製法で、濃口醤油に比べて2倍の原料と2倍の期間を要しますが、味と香りのバランスがよくて使いやすい醤油です。大手メーカーが積極的に手掛けないタイプの醤油なので、小規模のこだわり醤油を目指す蔵元が手掛ける傾向があるように感じています。
  • 溜醤油│熟成期間が長く、うま味がたっぷりな醤油

    大豆の割合が多く、仕込み水は少なめ。色が濃くてとろみと独特の香りが特徴です。中部地方が主産地で、うま味の量は醤油の中でもトップクラス。そのままつけ醤油としてはもちろん、照り焼きに使うと綺麗な照りがでると好評です。鰻のタレやマグロの漬けなどにはとてもよい相性だと思います。

醤油の特徴による料理への応用方法

日本料理 一灯(愛知県碧南市)では複数の醤油を使い分けています。長田勇久料理長より、料理人視点からの醤油の違いと料理への応用方法を解説します。

100ml醤油×6種類を事前にお送りします

実際に醤油をお試しいただくために、事前にお送りをさせていただきます。以下の申し込みフォームに送付先の住所をご記入ください。お送りするのは白醤油、淡口醤油、甘口醤油、濃口醤油、再仕込醤油、溜醤油の6種類で上記写真はイメージです。