木桶とは

③落書き

桶のつくりかた③ 落書き

桶の寿命は百年~百五十年といわれています。竹箍を切るとバラバラと側板が外れるのですが、側板と側板の接地面から出てくるものがあります。当時の職人が書き記した落書きです。

側板や底板に書かれた落書き
落書き部分だけを薄く削ってあるので、本来はこのようになっていた部分です。

名前などいろいろ

書かれている内容は職人の名前、米や醤油の値段、当時の世相を綴ったものなど様々。達筆すぎて読めないものもあります。ただ、百年くらい前の職人が確かにこの桶をつくっていて、ここに文字を書き込んだことを想像すると、ワクワクしてしまいます。

だから、桶づくりの時は欠かさず書いています

側板同士の接地面と、底板同士の接地面。桶づくりに参加する人たちで落書きをしています。内容はやはり様々。名前を書く人、未来への想いを書く人、そして・・・。百年後、この桶が役目を終えた時に、再び日の目を見るタイムカプセルです。

底板への落書き
こちらは側板